NISSについて(前編)
NISSについて(前編)
みなさん仮面二浪命令退学一向聴汚部屋金欠ガス無し(現在復旧済み)生活を送ってらっしゃいますでしょうか?東京都立大学システムデザイン学部電子情報システム工学科電気通信システムコース二年小出琳太郎です。
今回は、アドカレということで、日にちを追われながら前日にこれを書いてます。
昨日はねぴあ君の湘南大会に行ってきた話でした。湘南大会は結果はあんまりでしたが、久々に遠方のキューバーとあえたり、当日スタッフで大会お手伝いしたりととても楽しかったです。kanちゃんがまじで速かったです。ネピア君ともスクエアの話など少しお話しました。
明日はowapoteさんのたなばたたいかい、たのしかったの巻です。七夕大会は前日からとしちゃんさんたちと前日会場のロッジに泊まっていろんなキューバーと夜もお話できてめちゃくちゃ楽しかったです。一番力を入れていたスクエアでsub20こそできなかったもののみやうちさんに勝てたのでうれしかったです。
この記事は前編ではNISSの簡単な解説、後編ではDRでどのようにNISSを使うのかということを解説していきたいと思います。(本当はどっちも一つにまとめる予定でしたが、間に合わなかったので、とりあえず前編をアドカレの記事とします。なんなら後編の方が本題だったのに……ごめんちゃい)(上級者の方はいらないというか、知ってる内容なので間違い探してやるぞくらいの気持ちで見ていただけると)
NISSとは
直感的な例え
inverse スクランブル
まずはNISSを理解する前にinverseスクランブルについて解説します。
inverseスクランブルは日本語でいうと逆スクランブルのことで、通常のスクランブルの逆再生みたいなもんです。
例えばR U R’ U R U2 R’というスクランブルがあったとすると、これを後ろから読んでRをR’にR’をRにしたR U2 R’ U’ R U’ R’がinverseになっています。ちなみにinverseに対して通常の方をnormalとか言ったりします。
以後スクランブルSに対してinverseをS’と表記します。
また完成状態から完成状態に移す実質何もしてない手順のことを恒等手順と呼びます。
例えばここにスクランブルSが与えられたとし、そのSのinverseスクランブルS’を解きA Bという解法を得たとします。
この時S’ A Bは恒等手順となります。これらのinverse、B’ A’ Sもまた同様に恒等手順です。この解をA BとB’ A’というもので挟むことを考えたとき、[A B] B' A' S [B' A’]となり、この2つはセットアップ、逆セットアップの関係になっていて間にあるB' A' Sは何もしない手順なので、これらも恒等手順となります。
そうすると、A B B' A' S B' A’のうち先頭のA B B’ A’という部分はキャンセルされて消えるので、スクランブルSの解は、inverseスクランブルS’から与えられた解A Bを使って、B’ A’と書くことができます。
このinverseスクランブルを使うと、normalのスクランブルが難しいときに、inverseスクランブルを試すことによってうまくいったりいかなかったりします。
NISS
NISSも先ほどと似たような原理ですが、今回はスクランブルが間に挟まりスクランブル前後に解法がある状態となります。
例えばスクランブルSに対して、途中までA Bとしてそろえたとします。ここで行き詰まり、S A Bをさきほどで言う新たなスクランブルS1とみなし逆スクランブル S1'(=B' A' S')として解いてみます。
Cとして途中までそろえて、今度はS1' C(=S2)の逆スクランブル S2'(=C’ S1=C' S A B)を見ます。
すると今度はDという手順である程度揃えれて、最後スクランブルS2' D(=S3)のinverseS3’(=D’ B’ A’ S’ C)についてEという手順で完成したとするとD’ B’ A’ S’ C Eが恒等手順となります。ここでこの手順のinverseE’ C’ S A B DをC EとE’ C’で挟んでやることで、S A B D E' C'となりスクランブルSに対して解A B D E’ C’を得ることができます。
このように繰り返しinverseを見ていくようなのがNISSで、スクランブルと解を合わせたもののinverseを見るという、inverseに切り替える様子をswitchするといいます。
挟むという言い方をしてますが実際には単に後ろにスクランブルより前にある文字のinverseを後ろにつけるという見方をすることもできます。なんか中学校の頃にやった移項みたいですね。
前後で何が保存するのか
上ではただNISSのやり方を話しましたが、どんないいことがあるのかはわかりませんでした。
inverseはBLDで言う所の逆サイクルになっているので、XにYのパーツがある時、YにXのパーツがあるようになります。
具体的には
・揃っているパーツはNISSをしてもそのままに
・揃ってはいないがpairやblockがある場合には同じ数のpairやblockがどこかに現れる。
・EOやCOの数が一致する。
・疑似ブロックを解消できる
などがあげられます。
最後の疑似ブロック解消に関してはピンと来ない方もいると思うので解説します。
疑似ブロックというのは、例えばスクランブル U' L' B D B L D' Lでいう前にあるUFRを含む222。ぱっと見ブロックだけど少しずれてるようなものをいいます。これらを正しいものとみなしてU面がずれたままそろえ最終的にUとしてもよいのですが、これでは視認性が悪いです。こんな時、inverseL' D L' B' D' B' L Uを回してみるとあら不思議U'とすることで普通に222になるではありませんか。
このように疑似ブロックを普通のブロックに戻すことができます
NISSの表記法
別に、わかれば何でもいいのですが、現状多くの方がNISSしてinverseからそろえたものを()でくくるというやり方をとっています。よくネタにされる「ここでNISS」は解答のコメントとしてはあまり使われてない気がします。
例えば先ほどの例ようにS A Bまでそろえた後、switchしてinverseでC、normalに戻してD
とそろえた場合には
A B//
(C)//
D//
(E)//
のように書いて、最終解答はA B D E’ C’となります
実際に使ってみた
説明だけではわかりにくいので、実際にBBで1試技やってみたいと思います。(BB下手なので内容については悪しからず。NISSをどんなふうに使うかイメージがわかればよいです。)
スクランブル
R' U' F L' U F2 B R' F L' B R D2 L' F2 D2 R U2 D2 R2 F2 D' R' U' F
なんかぱっと見でよさそうなものがないのでswitchしてF' U R D F2 R2 D2 U2 R' D2 F2 L D2 R' B' L F' R B' F2 U' L F' U Rと回しinverseを見てみます。
すると、U2 B' L' D B2で222を作ることができます。さらにF2 R D2 R'とすると223ができます。
ここまで
(U2 B' L' D B2)//222(5/5)
(F2 R D2 R')//223(4/9)
ここでswitchしてR D2 R' F2 B2 D' L B U2 R' U' F L' U F2 B R' F L' B R D2 L' F2 D2 R U2 D2 R2 F2 D' R' U' Fと回しnormalに戻してみます。
次にL' F L D2とすることでF2L-1の形ができます。
さらにswitchしD2 L' F' L F' U R D F2 R2 D2 U2 R' D2 F2 L D2 R' B' L F' R B' F2 U' L F' U R U2 B' L' D B2 F2 R D2 R' からF’ L’ F’ LでF2Lが揃います。
ここまで
(U2 B’ L’ D B2)//222(5/5)
(F2 R D2 R’)//223(4/9)
L’ F L D2//F2L-1(4/13)
(F’ L’ F’ L)//F2L(4/17)
ここからLLをそろえていきます。まずOLLですがこのままのinverse方向の方が手順が短そうだったので、R U’ R2 D R2 U R2 D’ Rとそろえます。その後もinverseのままPLLもそろえて、R F R’ D’ R F2 R’ F2 R’ D R F R F2 R’ Fとそろえます。
よって最終的には
(U2 B' L' D B2)//222(5/5)
(F2 R D2 R')//223(4/9)
L' F L D2//F2L-1(4/13)
(F' L' F' L)//F2L(4/17)
(R U' R2 D R2 U R2 D' R)//OLL(9/26)
(R F R' D' R F2 R' F2 R' D R F R F2 R' F)//PLL(16-1/41)
soltion:L' F L D2 F' R F2 R' F' R' D' R F2 R F2 R' D R F' R2 D R2 U' R2 D' R2 U R' L' F L F R D2 R' F2 B2 D' L B U2
どうでしょうか?NISSを使うとほぼCFOPみたいな解法でも意外と40手くらいでそろえることができました。
コメント
コメントを投稿